草の根活動の紹介

自由な発想でマチの魅力を創る

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写真の町・東川町 | 東川町

若者が流出し高齢化が進み駅前はシャッター商店街に、という共通課題に悩む北海道の市町村のなかで、東川町は、16年前の6900人から現在は7800人と、人口が増えている元気なマチだ。昨年1年間でも人口は約80人増加している。東川町は、旭川市から車で約30分の近郊にある自然豊かな田園都市。その魅力は、住民の元気な「人材力」が作っている。

東川町は、1985年に世界で初めて「写真の町」を宣言した。世界で活躍する写真家を顕彰する「写真の町 東川賞」は今年で26年目、全国の高校生が写真の技術と感性を競う「写真甲子園」は17年目だ。全国から予選を勝ち抜いた18校の高校生カメラマンが写真の町に集結し、幼児から小学生・高校生、婦人会から一般企業もボランティアとして裏方で大会を支え、過去に参加した経験を持つOBの一部は毎年自腹でボランティアをしに戻って来る。その他、フォトフェスタの開催や町内各所での写真展開催など、写真文化は確実にマチに蓄積されてきた。写真自体はまだ誕生して170年程度の文化だが、東川町は町民の協力を得て、マチ独自の文化を新たに育てているのだ。

他にも、木工のマチという特性を活かし、東川町で生まれた赤ちゃんに毎年オリジナルの椅子を贈る「君の椅子プロジェクト」、新たなスタイルの婚姻届、コーヒーサイズの缶に東川産のお米「ほしのゆめ」約1合を詰めた「米缶」の開発など、東川町を巡る話題は尽きない。

東川町も、15年前まで他の市町村同様、人口の流出に悩まされてきた。どこのマチも、財政難、市町村合併の検討など厳しい状況が続く中、東川町の松岡市郎町長は「住民福祉の向上。繁栄、安全・安心、幸福なまちづくり」を掲げた。「予算がない、前例がない、他の市町村ではやっていないというネガティブでなく、ポジティブに発想して仕事をしよう」と職員の自由な発想を奨励、上記のような様々なアイデアが実現した。現在、東川町の職員や町民は住民であることに誇りをもち、自在な発想でマチの元気を作っている。自由な発想を生かせる風土が東川町の元気な文化を支えている。

写真甲子園 公式サイト

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