ガイダンスって、ひらめきだけではなくて、自分が今いる状況のかたちでもやってきます。
「嫌だな」って思うことあるたびに、スピリットに、「これは何のレッスンでしょう？」とたずねてみるのもいいかもしれません。レッスンをうまくクリアしたら、エゴの大きなブロックがまた一つ取れて、心がかるくなるおまけ付きです。
ゆるしの習慣が地について、ジャッジメント抜きで、いやなこともやさしく、静かに見ることができるようになると、すべてが良いことのために協働してること、見えて来ます。状況全てにメッセージがこめられてることがわかる。それから、スピリットのメッセージの送り方がかなりユーモラスなこともわかって、楽しくなります。みんなそれ、体験してるはずなのですが、ジャッジしすぎて、気づかないだけなんですね。
ただ、そんな風にいうと、「ジャッジメントしちゃいけない」という禁止と責めのモードになりがちですよね。ジャッジしちゃいけないと思いながら、ジャッジメントの習慣を消すことはできないと思います。というのも、それ自体がジャッジメントだから。
それより、ジャッジメントすることなど、思いもつかないような、やさしくおだやかな気分に浸るってイメージした方がいいかもしれません。誰しもこの気分、知ってると思います。たとえば、幸福の絶頂にある時。普段だった目くじらたててるようなこと、たとえば子供が家の中めちゃめちゃに汚したり・・・なんてことがあっても、何にも気にならない。「そんなちっちゃいことなんて、どうでもいいのよ」って、心底思えるときなど。
愛と同じように、ゆるしも、「私」がゆるすって思って、がんばって、努力している間は、まだまだ罪悪感がモチベーションになっていて、エゴの支配下にある。
そうではなくて、ジャッジするなんて、思いもつかないような、やさしい、おだやかな心の状態の海に、「頑張る私」も含めすべてを捨てて、思い切って飛びこむ。そんなふうに考えた方がうまく突破できるんじゃないかしら。
コースでは、物理的現実は、すべて幻想にすぎないと言ってます。「マーヤ」や色即是空など、他の宗教的な伝統の中でもよくある考え方ですよね。
ただこの教義は、頭で理解するのと体験するのとでは、全然イメージが違います。すべては幻想なんて聞くと、ちょっとニヒルで虚無的な感じがしますよね。
でも実際には、ただただ、圧倒的な幸福感があり、その幸福感に現実が洗い流されていく状態です。先ほど言ったような「幸福感がものすごいので、あらゆることが、小さなささいなこととして、見過ごせる、どうでもよくなる」状態に近い。
人間関係で言えば、一体感の方が圧倒的なので、その人との「違い」は、どうでもよくなる。違う身体を持って、全然期待にそぐわない行動をしていること自体、圧倒的な一体感の前で、色あせ、次第に見えなくなってしまう。そんな感じです。
ちょうど、様々に個性的なランプシェードをつけたランプが並んでいるけれど、明かりのスイッチをつけて、その光をどんどんつよくしていくと、ランプシェードは透明に見えなくなり、ただひとつの光だけがあるのに似ています。
みんな最初は、さまざまに個性的なかたちのランプシェードの方に意識の焦点がある。でも、ゆるしを実践したり、ガイダンスに従ってレッスンをクリアするうちに、だんだん光の方に意識の焦点が移ってきます。あなたが私の期待に真っ向から反していても、一体感の幸福の方が圧倒的なので、それがそこにあるのは見えるけれど、実感としてかんじられなくなってきた（つまり「幻想」だってこと）・・・そんな感じが強まってきます。
あるいは、こう言ってもいいかも。現実が夢だとすると、その夢の一登場人物として、エゴとしての「私」、身体の中に閉じこめられている「私」もいる。でもその「夢の一登場人物」としての「私」から、だんだん、リアリティが失われていくのですね。そうすると自然に、この「私」が、成功するとか、お金持ちになるとか、有名になるとか・・・その手の興味もすっと引いていきます。もちろん身体を持ってここに存在してはいるのだけど、自分の体がとても遠くにあるように感じられてきます。自分の体までの距離と、他の人の体までの距離が、等距離くらいに感じられるようになります。
その度合いに従って、この夢全体を見てる、「夢見る主体」としての私の方に、意識が移っていきます。その最初の兆候は、私が今、自分の現実の全体をどう感じているか、幸せかどうか、そればかりが気になり始めることでしょうか。だってそこから、夢全体が織り上げられていくわけですから。
それから、現実中で出会う全てのもの、すべての人の中に自分を感じていくことです。といっても、スピリットとしての自分ですが。メルヘンの中にいるような感覚です。現実全体に目覚めへの道しるべ、ガイダンスがメッセージとして書きこまれているのも、見えてきます。