ゆたかさからはじまる仕事

変身! ゆたかさのための仕事から、ゆたかさからの仕事へ

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あなたは、何もする必要はない、このままで、あなたは完璧なのだから。

『奇跡のコース』の中で、繰り返し繰り返し語られる言葉だ。

最初は信じられなくてもいい、仮にそうだとしたら、どうなるだろうって、思考実験としてだけでも、一度、このアイデアを受け入れてみると、面白いことが起こる。

「このままじゃいけない、なんとかしなきゃ」といった漠然とした不安、「愛されるためには、何か特別なことをしなきゃいけない」といった焦りが、みるみるうちに、エネルギーの供給源を絶たれて枯れしぼんでいく。

それらを原動力にして、あなたの中でこれまでのさばってきたエゴが、「ぎゃー」っと言いながら、のたうち苦しみ始めるのが、感じられるかもしれない。

と同時に、背中にべったり張り付いて、自由に身動きするのを妨げてきた粘着性の重荷が、どんどん剥がれ落ちて、身軽になり、ふーっと一息つけるようになるかも。視界がどんどん明るくなるのに気づくかも。

その後、心の中に、なーんにもない、空っぽの空間、塵一つない、きれいな部屋、雲ひとつない青空がひろがりはじめる。

そこで、ほんの一瞬でも、エゴが退散して、空っぽになった心があるところ、
いつでもどこでも、科学的法則のように、確実に起こることが、起こる。

愛がどんどん湧いてきて、充満して、洪水のようにあふれ出すのだ。アナイス・ニンが、精神分析かアランディに語ったように。

あなたは単なる治療をされただけでなく、エゴの彼方に存在する世界を、私に明示してくれました。エゴからの解放こそ、あなたが私にくださった、もっとも貴重な贈り物のように思われます。人が愛し始めるのは、ようやく「それから」なのですから。

この奔流の中には、エゴが残していった瓦礫がしばらく流れているけれど、
その残滓のほとんどが、押し流されていくにつれ

恥や外聞、人目を気にした計算づくの行動、人や未来をコントロールしようとするさもしい目論見も消えて、
呼吸するように、自然にふるまえるようになる。
生命力はちきれんばかりの素直で、純粋で、「かわいらしい」わたしがもどってくる。

レトリックでも、誇張でもなんでもなく、
そのままでわたしは本当に完璧なんだ、
むしろ「そのまま」だからこそ、完璧なんだってことがみえてくるし、

この完璧さが、すべてのものからの贈り物なこと、
すべてのものとこんなに親しく一つだからこその完璧さなんだってこともみえてくる。

すると、これだけのものを与えてもらった感謝の念がふつふつと湧いてきて、

意外や意外、やりたいことが、次から次へと湧いてきて、また、息つく間もなくなってしまう。

「わたしは何もする必要はない、このままで完璧なのだから」と相変わらず信じているのに! これは矛盾じゃないの?

いやいや、ここでなされることはすべて、「やらなければならない」ことではなく、「やりたいこと」。

「どうにかしなきゃ、このままだと死んじゃう」といった不安や焦りからじゃなくて、
人の喜ぶ顔を想像しながら、贈り物を選んだり、つくったりする喜びからなされること。

贈り物だから、あげてもあげなくても、自由。でもあげたい!と思うから、なされる。

エゴを払拭した心にあふれて来る愛が、すこしずつ成熟し、育っていくにつれ、
わたしは贈りたい、すべて贈り尽くしたいという熱にかられるようになり、
贈るのを、もうやめられなくなることも。

そこにも、「もっともっと」やりたい気持ちもあるけれど、
それは、それを受け取る人が、驚き、喜ぶ姿を想像するから。
プレゼントの箱の中にあと何をつめこんでやろうって、いたずらっ気たっぷりに、わくわくしながら・・・「贈る」欲にも限りがない。

エゴから、不安から、焦りから仕事をしていたときに身につけた技能、
その時発揮していた才能は、今もすべて無駄なく発揮される。
あなたの中の新しい人は、エゴの世界で積み上げられたガラクタを、リサイクル、リメイクするのが好き。ブリコラージュで、あるもの生かし、
結果的に似たようなことをはじめるかもしれないけれど、動機が全然違う。

何にも失われることはない。でも、全然違う世界がそこから生まれるよ。

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