気晴らし行動などで、これまでずっと、臭いものに蓋をするように、ごまかして、見て見ぬふりをしてきた欠如感を、
しっかり感じるようにおすすめしましたが
ただ、あまり真面目に感情感じていると、そっちの側に、自己感覚引きずられてしまいがち。
抑圧されてきた感情を感じること、大切だけれど、
その感情は、自分ではないこと、
自分はあくまで、それに気づいている側、気づきの側にあるって、はっきりさせていること、
つまり、ポジ💜ではなくネガ💟の側にいるというのも、とっても大切です。
湧き上がる感情をしっかり感じながら、そこに自己感覚がさらわれそうになって、
たとえば、私=苦痛
のような気がして、自分まで惨めに感じられてきそうになったら、どうぞ、ネガポジ反転(💜→💟)させて、気づきの側に、ぐっと踏みとどまってください。
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もちろん、実際に、苦しんでいるのに、その事実はそっちのけにして、
「私は無限に広がる永遠の気づき。どんな体験からも影響は受けないわ」
と思っても、さらにまた、抑圧された感情の層を増やすだけですが・・・・
バランスが肝心なのですね。
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呼吸という、抜群のバランス調整機能を使う手もあります。
何か感情を感じるたびに、私がいつも実践しているのは、
何であれ、その時々に感じられたことを、
吸う息とともに、ぎゅっと握りしめるようにして、奥の奥まで感じては(それが、エゴからくる場合、この時点で、身体のどこかに、不快な身体感覚がうごめいているのを感じます)
吐く息とともに、手放して、力を抜いて、
その周りの気づきの空間に残らず明け渡していくこと。
すると、この感情もろとも、私自身、この気づきの海の中に溶けていく感じで、
とても気持ちがいいです。
吸う息とともに、感情の奥の奥まで感じた時に、不快感が感じられない時、それは、エゴに由来する感情ではありません。
無条件の愛や幸福、安らぎ、ユーモアなどですね。その手の感情は、はじめから、身体を超えて、気づきの空間にふわりとひろがっています。
そこには、エゴのホックに引っかからない、気づきの空間そのものとしてのあなたがいます。
だから、後半の、気づきの空間にゆだねるプロセスはいりません。あなたはすでに、そこにいるのですから。
でも、そうやって、あらためて、この感情の本性を、どこまでも広がる、この自由な空間として確認するのも楽しい体験です。
吸う息とともに、ぎゅっと、感じだ時に、そこにエゴのホック、不快な身体感覚が見つかる凝縮性の感情の場合も、
気づきの空間の中に、完全にゆだね、明け渡すことができたら、
愛や幸福、安らぎ、ユーモアといった、膨張性の感情の中に溶け行っていきます。
それは、恐れが一変して、大丈夫かも・・・と一息つく瞬間、
敵意が理解に、涙が笑いに、不機嫌がやさしさに、溶けていく瞬間です。
直接体験からそれない
今、ここの、体験を、丸ごと受け止めながらも、そこに自己感覚をさらわれず、
さりとて、それをただ、傍観して抑圧するわけでもない・・・
そんなバランス感覚と並んで、気づきとしていることに関して、もう一つ大切だと思うのは、
直接体験からそれないこと。
あくまで、今、ここのあなたの体験のありのままを出発点にすることも大切だと思います。
「気づきでいる」といっても、それは何らかの客体、「物」のように独立して存在するものではありません。
あなたの、今の状態とは程遠いものが、どこか手に届かないところに、何らかの理想状態として、あるのではなないんです。
今、ここにある、あなたの体験が、あくまで入り口であり、チャンスなんです。
1、何であれ、今のあなたのありのままの体験にまず気づき、
2、あなたのその気づきの中に、体験全体がすっぽり包まれ、全てがその中に現れているのを確認しながら、
3、気づきの中に体験が溶けて、素材に戻っていく様子を見とどける。
あるのは、こうしたプロセスの繰り返しだけです。
たとえば、辛い体験を、ありのままに感じられているだけなのに、
すべてが、だんだん優しく、あるいは、美しく、あるいは愛おしく、自分と不可分のものに感じられてきて、
その優しさや美しさや愛おしさそのものの中から、全てが現れているように見えてくる。
そう思えれば、あなたは、このプロセスを完了したことになります。
というと、何だかすごいことのように聞こえるかもしれませんが、
とても不機嫌だったのに、
ちょっとしたことに、感動して、心が動かされると、
不機嫌のタネになっていたこともふくめ、全てが新しい光の下で見えてきて、
ゆるせたこと、それどころか、みんな、このままで、最高って、思えるようになったこと、
ありませんか?
知らず知らずのうちに、このプロセスが、始まったせいです。
そのプロセスを引き起こしやすい状態に、四六時中いる。
ここでは、そんな生き方をおすすめしている、というわけです。
この3段階の癒しのプロセスは、全て完了しなくても、たとえば、1→2へと進みはじめた時点で、もう始まります。というわけで、今度は、段階ごとに、そこで起こることをみてみましょう。