奇跡のコース

ジャッジしないことの極限! 自殺したい人の意思を尊重する??

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ゆるしは私たちの方では、はじめることしかできなくて、あくまでホーリースピリットが完了してくれるもの。とてもパーソナルで、状況に即したいろんなかたちをとる。だから、どうすれば、ゆるせるかは、最終的には、自分の心にたずね、ホーリースピリットにたずねるしかない。ただ、はじめるために、共通して守ったほうがいいことはある。ジャッジしないこと。これを厳密にやるのは、とても難しい。どう考えてもこちらは無実なのに、怒り狂って責め立ててくる人、あるいは嘆き悲しみ、自分を責めてやまない人、どう考えても間違ってるとしか思えない人・・・・そんな人の様子を目の当たりにした時に、自己弁護しない、正論振りかざし、お説教もしないで本当にいられるかが問われてるわけだものね。

その極限の例とでも言うべき話をこの間、本で読んだ。西原由記子さんという、関西で電話を使った自殺防止活動をしている方の体験談。キリスト教だそうだけど、コースとは直接関わりのない方。子供と一緒に無理心中しようとしているお母さんを、学校の先生が一生懸命説得してやめさせようとしてる。説得すればするほど、強固に「死ぬ」と言い張るお母さん。この緊迫した状況の下、彼女が震え声で言ったのは、「死ぬと言うあなたの決意をご尊重申し上げます」。すると、それまですごい剣幕で、「あんたどこの誰ですか? 私が死のうと生きようと、あんたには関係ないでしょう、ほっといてください」とすごい剣幕で、取りつく島もなかったお母さんの噛みつくような態度が一変。「わかってくれはりますか」と、おだやかになり、泣き崩れたのだという。

子供を無理やり道連れにして死のうとしている人を、「間違っている!」というのは当たり前。西原さんだって、自分の一言の重み、これが引き金をひくかもしれない大惨事への責任もしっかり感じてる。それもすべて引き受けた上で、ジャッジメントしないで、相手の価値観、決意を無条件に受容することを選んだんだから、すごいこと。でもそれだけが、根本的な変容を引き起こせる。

実際、その後、ホーリースピリットに癒しと祝福が、関係者すべてに雨のように降り注いだようで、お母さんの変容に西原さんも感動。たぶん先生たちも癒されたのではないかしら。

第三者である気軽さ、一種感覚マヒした無関心さからそうすることはできるかもしれない。でも、そんな状態で「あなたの決意を受け入れます」と言っても、何も起こらない。コースもいうように、すべては他人事ではなく、自分事。自分の罪悪感が投影され、引きつけられて起きたドラマ、一言で言えば、自分のせいだって考える。その上で、無条件受容するから、奇跡が起こる。

この話を聞いて、感動してから、「尊重します」というのが、わたしのゆるしのキーワードになった。人の中に、自分の中に、ネガティブなもの、ゆるせないものを見つけるたびに、「あなたのありのままを尊重します」と唱える。「今、感じてる怒り、これを尊重します」「この消化不良の胸のむかつき、これを尊重します」という具合に、嫌なこと、しっかり受け止めながら「尊重します」と唱えることで、ジャッジメントを一掃。するとゆるしが、さくさく進みます。ホーリースピリットに合掌。ありがとう。

(西原さんの自殺防止活動の話を、私は西村佳哲さんの『かかわり方のまなび方』(筑摩書房)で読みました)

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